第3次スーパーロボット大戦α、プレイファーストインプレッション

遅ればせながら、第3次αの初プレイ感想です。
全体的に言えば、ボリューム・グラフィック・シナリオ・サウンド
すべて充分満足のいく出来です。


クォヴレールートのみプレイ(11話まで)

1.「戦闘グラフィックの向上」
 これはさすがにもう文句のつけようがないです。進化しています。
 もうこれでもか!というくらいに担当者のやる気というか魂が
 感じられます。
 またずっと違和感のあった「ダメージ表示」→「真ん中に戻る」→
 「爆発」の処理が「真ん中に戻る」がなくなり、消滅系はそのまま
 消えるというパターンになり、違和感がなくなりました。
 この変更は相当に大変だったと思いますが、お見事です。
 こういった部分を修正したのは、やはりこの作品への思い入れの
 強さを感じさせます。
 また○ボタンを押すと早くなる機能は正直驚きました。


2.「デモの充実」
 まず最初に眺めるのがいつもこれですが、満足度が高いです。
 OPデモはもう一つの作品として成り立っています。
 戦闘デモも作品紹介として、満足のいく出来。

 
3.「複数のシナリオの絡め合い」
 4人の主人公がいて、開始などがそれぞれの戦線から始まる。
 それが他のキャラでプレイした時に説得力を持たせています。
 素直に「うまい!」と思いました。意外とこういうのは
 分岐させるのは簡単ですが、説得力を持たせるのは難しいので。
 このキャラだからこそのこのシナリオがあるのは○です。
 まだネタバレ関連を見ていないので、わかりませんが
 最終的なシナリオは共通で熟練度による分岐なのでしょうが
 今回のコンセプトでは仕方ないですが、少し寂しい気がしますね。
 みんなが各地で戦っているというのを少なくとも前半ではうまく
 表現していると思います。

 
4.「音楽の選択・質は第2次αよりも向上」
 第2次αの音楽は概ね問題なかったのですが、全体的に言うと
 インターミッションや会話シーンなどで流れる曲調に偏りがあり
 堅実すぎて面白みがない部分がありました。
 しかし今回はαやα外伝、第2次αで使用していた曲も使用し、さらに
 バリエーションも豊富になって、まさにαシリーズ最後を飾るに
 ふさわしいオールスター的な内容・ボリューム・質です。
 作品使用曲はもちろんオリジナル主人公のBGMも素晴らしいです。
 第2次αでは作品使用曲が奇をてらいすぎていた面があり、戦闘曲
 にあわないものも多く感じましたが、今回は少ないです。


5.「小隊システムの自動編成が○」
 何回か試してみましたが、自動編成が思ったよりもいい選択をします。
 これは素直に驚きました。ある意味面白みがない組み合わせなんですが
 ここまでのものを作るのは結構面倒だと思われるので、こういった配慮
 は大きなポイントです。使わない人もいると思いますが、そこにも手を
 抜いていないのは評価します。


6.「難易度の向上」
 第2次αでは初めての小隊システム導入のためか、難易度の調整がうまく
 いかず、難易度は低く、最後は作業している感じました。
 しかし今回は、機体の特殊機能や武器の特殊機能などがうまくいって
 色々工夫する楽しみが得られます。
 また熟練度による難易度の違いは従来よりも広がり、ハードモードだと
 結構苦戦を強いられる場面もあります。その分、キャラ養成の楽しみも
 向上しました。そこらへんの連携というかバランスはかなりのレベルで
 調整がとれていると思います。


7.「やりこみ要素やシステム・機能」
 今回もクリアボーナスや特典、サブシナリオ、さらに用語辞典・攻略Q&A
 とシステムや機能の充実も見逃せません。さすがにシリーズが続いて
 複雑な部分が増えてしまった現状をフォロー出来ていると思います。
 快適性なども考慮に入れたシステム設計など、ゲームを作る際に参考になる
 点が非常に多いです。


ただ気になるところもいくつか・・・
1.「立ち絵のグラフィックのバラツキがひどい」
 特にSEEDのキャラはひどいです。作品内の統一感がなく、出来が悪い
 キャラも多く、デッサンの崩れやタッチや色の塗り方など雑な感じです。
 元々α・α外伝でも作品間の出来のバラツキはありましたが、今回は
 問題あるラインではないかと。デモや戦闘シーンがすばらしい出来な
 だけに浮いて見える分、全体の印象を悪くする要因です。


2.「一部の声に違和感」
 裏事情を少しは知っているんですが、SEED系の兵士や帝国監査軍兵などの
 一般兵士の演技が概ねあまりうまくありません・・・
 他と比べると格段に迫力がない。従来は作品に出ていたベテランの方が
 多くやられていたんですが・・・今回はおそらく無名の方かと。
 有名・無名で実力は判断できませんが、少なくとも今回はまだ場面と
 合っていない部分が多く、足りない印象です。


3.「反撃の武器選択」
 なぜか敵を倒すにはやや足りないという攻撃力の武器を最初に選択するように
 なりました。これは反撃ではなく、自軍攻撃時に沈めることを前提にしてる
 ためでしょうか?結構敵のHPが残る印象が強いのはこのせいかと。
 従来と変えるのはいいですが、いちいち選択しなおすのはストレスになります。



以上が長いながらも、書いてみました。
総合的に見ても、最近は手抜き感が強いゲームが多い中で、それを感じさせない
プロの仕事が行き届いた満足のいく作品だと思います。
発売延期したのは残念でしたが、それを補って余りあるαシリーズ完結にふさわしい
スパロボというのが第一印象です。